それはとある感情

擬人化でブレ→カビ(♀)っぽい短文。
微妙なところで終わるよ！←


髪をおろした本家さんは可愛いということで。うちののブレイドは鈍感無自覚ツンデレということで。そういうことで(ﾆｯｺ-


おkな方は追記からどーぞ！

髪の毛を下ろしたカービィはとても新鮮に感じる。初めて見るわけでも無いのに何故だろうかと、心の片隅が呟いた。

「髪下ろしてんだな」

振り向いたカービィの表情は、髪型とは打って変わっていつもと同じだった。
「何？ なんか文句あんの」
少し目を細めながらこの怪訝そうな顔。
「なんでそうなるんだよ」
さっきまで感じていた新鮮さもぼんでいく気がした。
「別に、そう思ったから言ってみただけだよ」
「…………」
薄い桃色の髪は優しい色にほころんでいて、解かれていると普段より柔らかそうな髪質に見える。不思議なものだ。
そんなことを思っているとと、カービィが呟いた。


「……ジトジト見ないでくれる？ 気持ち悪い」



「なっ!?」

思いもよらず、声が出た。
その言い方はまるで人が視姦していたようではないかと、ブレイドは思った。見ていたのは確かだが、断じてそんな目では見ていない。しかし、そう思いながらも彼は無意識のうちに勢いよく目を背けていた。
「誰もジトジト見てねぇから！」
「ふーん？ へぇー？ あー？ そー？」
「……ムカつく」
自分に非は無いのに何故羞恥心らしき感情が生まれているのか、ブレイドはなんとも屈辱的な気分だった。ただただ横目に見えるピンク色が憎らしい。
外見だけは女らしい色を纏っているくせに。髪をおろして少しはらしく見えるかと思えば、やっぱり中身は可愛げがない。こうなったら報復として、一言そう言ってやろう。ブレイドは口を開いた。

「お前もそうやってたら外見だけは……」

しかし、一瞬言葉が切れる。



「何」

カービィが眉をひくつかせてこちらを見やっていた。

「…………」
「…………」





「……マシなのにな」
「あぁ!!?」

ブレイドは思わず可愛い、と言いかけて口をつぐんでしまった。

別に可愛いと口に出すことに抵抗があるわけでは無い――はずだ。なのに、どうにもおかしい。

言葉を詰まらせた原因は、おそらく単語「可愛い」という単語を意識したとき。そのときに、彼は胸の奥をつねられたような、そんな曖昧な感覚を覚えたのだ。温かいようなくすぐったいような、微妙な痛み。けれど『痛み』と表現するのも違っているような気がする。初めての感覚だった。



(……何だ？)


何故かカービィの顔を見ていると、余計にその言葉は喉の奥に閉じ籠ってしまった。


「おいっマシって何だよ、マシって!!」
(もしかして俺、無意識のうちに言いたくない程こいつのこと可愛くないって思ってるのか……？)



カービィの怒声をよそに、ブレイドは一人心の中で疑問を重ねたのだった。





end.


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疑問が真実になるか否かは彼と彼女次第。


読んで下さりありがとうございました！