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初めましての方はカテゴリーのはじめにを読んでね! スマブラ、カービィを中心にやりたい放題する気まぐれな同人系サイト。 擬人化、俺設定に注意! 只今擬カビ強化月間です。
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みんなメリークリスマス!

クリスマスプレゼントにもなりやしないかもしれませぬが、去年に書いたスマブラクリスマス小説おいてきます!もちろんのごとくアイカビ中心だけど一応名前だけ色んなキャラだしてますw
いちおう手直しはしたけど何しろ去年だし、残念文章なのは許して下さいなー!;






いつかの聖夜は今日に見る小さな夢
 
12月24日。
ついに迎えたその日はスマッシュブラザーズ誰もが朝から慌ただしく動き回っていた。
 まぁ、願わなくとも、誰もが動かざるを得ないのだが……。
 
そういうのも、今夜は屋敷のホールで盛大にクリスマスパーティーを行うからだ。
 
女性陣とピーチに頼まれたのかマリオやルイージ、ヨッシーは昼から料理作りの手伝いをしている。その後リンクもゼルダについて、他の何人かも料理作りに加わっていた。子供らとポケモン組、大半の人数はバカでかいツリーの飾り付けやら、部屋じゅうをオーナメント飾ることに一生懸命だ。フォックスたちやソニックはたった今買出しに走らされにいったし、俺も含め腕っぷしの強い男を中心にホールへ椅子にテーブルにとさんざん運ばされた。ちなみについさっき作業が終わったばかりだ。
もちろん面倒くさそうに働く奴らも居るが、やはりこの日は不思議とわくわくしてしまうものなのか。心の底から乗り気じゃないというわけじゃなさそうだ。
みんな忙しそうにしながらも、どこか楽しげだ。
ファルコンやスネークなんて、多分昨日より若返ってるぞ。
それは、どうやらこの世界の「神」的存在であるマスターハンドも同じらしい。元から結構イベント好きなようだが。……おかげで今朝には初の一面の銀景色だ。初雪のクリスマスイブに朝から皆が感激していたが、朝一番にツリーのモミの木を確保しに行ったクッパやガノンドロフたちにはなかなか酷だっただろうな。
 
 
「………………ふぅ」
 
 
そんな半日を思い返しながら、俺は二階にある空き部屋の窓から薄らと残る夕焼けの朱色と群青色が濃さを増し始めた外を眺めていた。
この屋敷もかなり大きいが、一階からは今も騒がしくさまざまな声が飛び交っているのが分かる。ここのドアも開けっ放しだからな。だが比較的この空間は静かな方だ。
 
 
「アーイクゥ~っ! なんだぁこんなトコにいたの!?」
 今からうるさくなるかもしれんが。
 
 この上機嫌な幼い声の主は見ずとも予想がつくが、一応振り返るとやはりカービィがはねるように部屋に入って来ていた。「ジングルベル」の鼻歌を歌いながら。今朝からずっとこんな調子だが、夜も近付いてきてさらに気が舞い上がっているようで自身のピンクの丸い体に赤と緑のモールを巻きつけた上、早くも三角帽を身に付けている。
「ああ、少し休みたくてな。下で突っ立ってたら邪魔になるだろう。…………それより、」
そう言葉を切ったあと、ちらりとクリスマス装飾のされたピンク玉を改めて見やった。
「なんだカービィ。そんな格好で、オーナメントに間違えられるぞ?」
 するとカービィは俺の苦笑も軽々跳ね返すような満面の笑みで言った。
「えへへ。だってさ、クリスマスだよ、アイク! クリスマス!」
 らんらんと光を灯した瞳に思わずこちらまで笑みがこぼれてしまう。
「そうだな」
「ご飯もすっごくおいしそうだったよ~♪ ……僕は台所に入れてもらえなかったけど」
「……………………」
 万が一、パーティが始まる前に料理が無くなってしまっては元も子もない。不服そうなカービィには悪いが料理班の賢明な判断だと思う。
 と、カービィが俺の隣の位置の窓縁に精一杯のジャンプでしがみついた。なかなか危なっかしかったので体を支えてやると、カービィは「ありがとう」と一言返し無事窓縁に立った。
 
 
と、カービィがある質問を投げかけてきた。
「ねぇ、アイク。アイクはサンタさんにプレゼント何頼むの?」
 サンタ。
 頭の中にあの赤い服に白い髭が特徴的な老人の図が浮かぶ。この日の代表的なのその存在の響きが、やたら唐突に感じてしまうのは俺も成長したということなのか。
 他に返す言葉も見つからなかったので、とっさに思ったことをそのまま口に出した。
「あまり意識してなかったな」
「え? なんで?」
カービィがきょとんとした。やはり子供にとっての「サンタ」というのはこの日とイコールでつながっているらしい。
「さすがにこの歳じゃ来ないだろ」
特にこんな可愛げもさっぱり無くなったようなやつのところには。
そう思った矢先だ。
 
 
「サンタさんは良い子のところに来てくれるんだよ! アイクは強いし優しいし、アイクだって良い子なんだから大丈夫だよ!」
 カービィがそう一点の汚れもないような、とても純粋な笑顔で俺に言った。
 
 
「…………そうか?」
「うん!!」
 
 今度はこちらがきょとんとしてしまった。
 カービィは元から無垢な性格だし心からそう思ってくれているんだろうから、もちろん嬉しいのも事実なんだが、やっぱりこうも真正面からまるで当たり前のように、自然にそう言われると少し照れくさいものがある。好意に応えて微笑み返しでもしてやりたいんだが、どうも今はぎごちなくなってしまいそうでやめておいた。
 ――――だが話は良い『子』なのかどうかという話だったと思うんだが…。
「んー、じゃ、僕がアイクの分までお願いしてあげるよ。アイクは何が欲しいの?」
 別にもうそんな事はどうでもいいらしい。
「…………そうだな……」
 カービィから視線を外し、考えた。ほんの短時間で外はもう完全な藍色に染まっていた。
 
 
欲しいもの、か。
 
 
どうだろう。最近だんだんと物欲がなくなってきた中そこまで今欲しているものは無い。あの爺さんのことも忘れてしまうわけだ。
「ちなみに僕が欲しいのはね――……」
 だが単純にもらって嬉しいものと言われると――……
 
 
「肉が欲しいな」
「マキシムトマトいっぱ~い!」
「二人ともクリスマスくらいもうちょっとロマンティックなこと言えないの?」
 
俺とカービィがほぼ同時に口にした要求願望に後ろから聞きなれた声が針を刺した。
「マルス!」
 一足先に振り向いたカービィが声を上げる。マルスは開け放たれた扉にもたれかかりながら、呆れたようにしかめっ面で俺達を見据えていた。
「なにさマルス、別にいいでしょ~?」
「まぁ二人らしいけどね」
 それでもまだ若干呆れ気味にマルスは苦笑した。いつものすっとした軽やかな足取りで俺達に歩みよる。
「でもサンタに頼むまでもないかな。下で七面鳥のローストと山積みのマキシムトマトがお待ちかねだよ」
「ほんと!?」
「本当か!?」
 つい反射的にその単語に食いついてしまった。
「……ぷっ! あっははははは!」
 言葉も行動もシンクロし、言葉の方へ体を大きくひねり目を光らせて見開いた俺とカービィを見つめたマルスは案の定、腹をかかえて大笑いし始めた。
「ほんとに予想通りの反応なんだから、二人共!! あははははは!!」
「そんなに笑わなくてもいいだろ!」
「そーだ、そーだぁ!」
 そんなつもりはないんだろうが、そこまで笑われると馬鹿にされている気がする。そんなにおかしな反応をしたか。
カービィも同じ思いのようで、互いに顔を見合わせた。
 
そんなとき一階からいきなり何か大きなものが転落したようなガターンッという大きな音と軽い震動が走った。マルスも笑うのを止め、カービィが「わっ」と小さくこぼした。俺も目を丸くしたのは言うまでもない。

何ごとかと一瞬静まる室内。

 ――しかし、さらに下から響いてきたのは、大勢の笑い声だった。聞くからに色んなやつらのおかしそうな声が混ざり合っている。
「……何かな?」
「ワリオがはしごからから落ちたりでもしたんじゃない?」
「カービィ、それはあんまり笑い事じゃないと思うんだが」
 それに肯定するように微かに笑った後、マルスは思い出したように言った。
「そうそう、そういえば僕はもうすぐパーティが始まるから二人を呼びに来たんだった。もうみんなだいぶ集まってるみたいだし、行こう」
 そう促し、自らも扉に向き直った。「ああ」と返事を返し、俺も部屋から出ようとするとカービィも「わーい、ご飯っご飯っ♪」と喜びに満ち溢れた声で俺の肩に飛び乗ってきた。
 
「アイク、お肉一人で全部食べないでよね?」
「カービィこそ、ひとりで全部料理を食べないでくれよ?」
「僕が一応二人とも見張っといてあげるよ」
 
そんな仲間と冗談を交えながら歩く廊下。
 
 階段に近づくにつれ、皆の楽しそうな声が大きくなり、どれが誰の声かも聴き取れるようになってくる。
 
 一体ホールにはどんなににぎやかなツリーや飾り付けと大量の料理が並べられているんだろうか。何よりも、その話題の七面鳥には期待をせざるを得ない。
 
ああ、やっぱり二階より下の方があたたかいな。
 
 
ふとまた、頭によぎった言葉。
 
 
 
――――欲しいもの、か。
 
 
フッと、ひとりで微笑した。
 
 
 
 
 
 
さすがに、もう何が欲しいと言ってもサンタが怒りそうだな。
 
 
 
 
≪They will get Happy Xmas to night….≫
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プロフィール
HN:
風野みなみ
性別:
非公開
職業:
学生
趣味:
絵をかくこと。寝ること。
自己紹介:
「かぜの」じゃないよ!「かざの」だよ!

平成〇年8月20日生まれの常に頭の中がギャグ漫画と言われる気まぐれアバウト人間。
CP・コンビ好きでキャラ崩壊と妄想の激しい子。
話が長くてけっこう日頃からテンションが高い。


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